Backdoor Hepatologist in Iowa

アイオワ大学消化器肝臓内科医師のブログ 内視鏡から肝臓移植まで色々と取り扱ってます

1年経過

勤務開始から1年経過。ずいぶん間が開いた。

今週はInpatient rotation(肝臓コンサルト)の最終週。基本内科疾患はGeneral internal medicineに入院し、各サブスペシャリティがコンサルトとして一緒に診療する。

現在は重症1人、Acute on Chronicの自己免疫性肝炎。移植適応評価中。循環器の評価が問題なければListingとなる予定。一緒に働いているのが3年目のフェロー(来年当院のFacultyになることが決まっている)なので比較的仕事が楽。

昨日は帰宅して日本のテレビドラマを見た。久しぶりに継続してみているドラマ(Sling Box経由)。平日だけどPale ale(355ml)を自分に許可。オンコールじゃないしね。

雑感2015/12/13

久しく天気が悪い。

今月いっぱいはInpatient serviceにおけるAttendingのサポート兼Shadowing。やることは結構あるが、比較的責任の伴わない仕事なので楽っちゃ楽。

①アイオワ大学病院は全米で”従業員からの評判が高い病院”の#1にランクされているとのこと。確かに今の所みんないい人。

②HCV治療薬の選択肢が多いのはうれしいこと。特に肝移植後患者については保険会社もあまりうるさく言わないらしい。

③身体診察もっと頑張らないといけない。勉強しなおそう。

④早く内視鏡やりたい(来年2月から枠の割り当てをもらえるらしい)

アイオワ大学に就職するまでの経緯

勤務開始から1週間経過。まだ右も左もわからず、あえて書くことすらないが、まあ、まずまずのスタート。

2013年11月、AASLD(アメリカ肝臓学会)に参加した際、Tロント大学で同じ釜の飯を食った同僚フェローに再会、Ohio State UniversityのClinical Facultyに採用されたと聞かされた、「中西部の大学は比較的免許とか取りやすいようだ、興味があったらお前も応募してみたらどうだ」。彼がECFMGを持ってないことは知っていた。アメリカで研修したことがないことも知っていた(だから当初、私と同様カナダに道を求めたのだ)。しかし彼の臨床研究の業績は抜群で、非常にAppealingで、それを武器にポジションを獲得したのだろう、私にはあまり関係ない話だと思った。

帰国してその会話のことはしばらく忘れていたが、多分頭の中に思いは残っていたのだろう、何気なく見つけた日本人の先生のブログを読んだ、「アメリカで研修していなくても指導医として働く道はある」。ただどなたも当然、ECFMGは持っている、あるいはFacultyになるに向けて取得されている。しかし自分は持っていない。

確か何かの国内学会からの帰り、フライトを待っている空港の中でふと思いついた、メールを送るのはタダだ。国際学会(AASLDやAGA等)のサイトに載っている求人広告には”ECFMGが必須、アメリカ研修が必須”とは当然書いていない。日本の病院の広告に医師免許必須と書いていないことが多いのと同じだ。USMLE未受験、アメリカ研修歴なし、について敢えて触れずにCVを作成し、10個ぐらいのプログラムにメールを送った。

殆どのプログラムは返信をくれた。ただ返信メールに共通していたのは「お前はアメリカで指導医として働く経歴を持っているのか(=州の医師免許に必要な研修歴・ECFMGがあるのか)?」
当然の質問である。しかし当然、持ってない、と答える。その後は当然、梨のつぶてだ。
しかし、現在の職場からのメールだけはやや異なっていた。「まずはDivision Directorと電話インタビューを設定したい」
そこで初めて「USMLEを受けたことがない、アメリカでトレーニングしたこともない」と伝えた。返事は「アイオワ大学で働く分には免許もビザも何とかなるだろう」とのこと。非常に驚いたのを覚えている。まさに”Back Door”である。

その3か月後ぐらいにSkypeで肝移植のチーフ、肝臓内科の歴々等も交えてインタビュー。その際に、アカデミックセンター限定の州医師免許(Special License)、およびビザをO1で進めることが可能であることを確認。その時点で、後日インタビューのために渡米することが決まった。アメリカで開かれる国際学会に合わせてもらった。

現地でのインタビューでは、アイオワのここが素晴らしい(治安と学区が良い等々)という話をいくつか聞かされた。子供含めた家族持ちにとってはこの上ない環境と思えた。最後に、1時間のプレゼン(Faculty Job Talk:自身の臨床研究をまとめて発表)を行い、帰国。プレゼンの練習のため、出国直前に数時間、カラオケボックスにこもって一人練習を繰り返したことを付しておく。

そして2015/6に正式にオファーを受けるに至る。

後になって「何故自分にに声かけたのか」と聞いたところでは、「Tロント大学・T京大学で、生体を含む多くの肝移植診療に携わっている内科医である」「論文・学会発表が複数ある」「権威ある複数の推薦状」が理由とのこと。推薦状についてはこれまで直接お世話になった先生方にお願いした。どの先生も身に余る推薦状を記載してくださった。自分がいかに上司と環境に恵まれていたか、痛感。本当にありがたいことである。

ちなみに、ビザは当初言われていたO1ではなく、H1B (national/International renown:他大学からのリンクだが概要は同じ)の手続きを大学側が進めてくれることになった。本来H1BはUSMLEステップ3までの取得が必須だが、いかなるところにもBack Doorはあるということだろう。

※強調しておきたいが、ECFMGも米国研修歴も無い自分の場合、肝移植を診ることができる内科医というニッチな経歴であることがチャンスにつながったのは間違いないと思う。逆にいうと、いつか渡米をと考えている先生で、ニッチな業種に従事していることを自認しているのであれば、Back Doorは存在するだろう。ただし、本来USMLEを取得するのが望ましいとは思うし、自分のやり方はやはり邪道だ。アイオワ州でもSpecial Licensureを永遠には更新できない。アメリカに永住するのであれば結局USMLEを取得する必要がある。しかし(自分が先達のブログを見つけなければ事ここに至らなかったのと同じように)、この文章がいつか誰かの役に立てばと思う。

Thanksgiving

上司のお宅にお呼ばれ。ターキーの丸焼きを初めて食べた。予想通り、"焼いた鳥ムネ肉"の味である。

日本人だと言うと大概好意的な印象をもたれる様子。パーティなので中には初対面の人もおり、しかも医療関係ではないのでその手の話でお茶を濁せない→沖縄問題とか原発とか自衛隊とか靖国神社…について聞かれることも多い。今日は慰安婦問題についてコメントを求められた。

ホストはベテラン肝移植内科医。今後の臨床研究のやり方などについて少し話す。まあまずは慣れろ、だがあくまで臨床トラックのFacultyなので、臨床研究については自分のケツは自分で拭くつもりでやれ(ただし求められればサポートする)、とのこと。

最初から気を引き締めて行かねばと決意を新たにす。

11月の雪

 

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 11月に降雪。

感謝祭よりも前に雪が降るのはアイオワでも珍しいらしい。コーヒーショップの出口で転倒した(2回)。30代後半にもなって情けないことこの上ない。ただ公道はしっかりと除雪されるため、車の運転にはほとんど支障がない。

一昨日は同僚のインド人消化器内科医と共に”3人の侍”という名の日本食レストランで夕飯。日本人の店員は、無論いないとのこと。プログラムについていろいろ教えてもらう(彼自身は概ね満足しているとのこと)。

本日は、同じ内科(Divisionは違う)でスタッフをされている日本人Drのお宅にお呼び頂き夕食をごちそうになる。ご家族皆さんに大変温かくもてなしていただき、大学病院のあれこれを教えてもらい刺激を受ける。

さて、あと1週間で勤務開始。