Backdoor Hepatologist in IA

米国中西部IA大学病院消化器肝臓内科医師のブログ 取り扱い範囲は内視鏡から肝臓移植まで

学生には内視鏡されたくない話

アジア人であるためか、自身の容姿は比較的若く(未熟に?)見られるようで、学生或いはレジデントと間違われることが多い。実際は38歳のおっさんなのに。特に内視鏡のときは、上下グリーンのスクラブを着ているので、より頼りなく見えるらしく、ナンダコイツというな顔をされることもがままある。感覚的には月に2-3回そんなことがある。

よくされる質問ベスト3:

1) これまで何例の内視鏡を経験していますか?

2) スタッフなのに若く見えるわね~、で、何歳?

3) 今日の内視鏡はあなたがやるの?(フェローと勘違いされている)

先週髪をかなり短くしたら、いきなり1週間で3人ぐらいに疑われた。これって実は結構失礼なんじゃないかという気もするが・・・。技術で信頼を裏付けようにも本人は沈静下で寝ているので何もわからないというのもまた。基本笑顔でかわしているが、一昨日の症例には余りにしつこく言われたので、”75歳のDrにRe-scheduleしますか?”とまじめに聞いたところ、イヤミなウソと思われたらしくさらに険悪になるという始末。実際75歳で内視鏡のうまい医師がいるのだが。已む無し。

新年度の雑記2018

Image result for lake alexander mn castaway

 

さて7月。新年度である。

6月30日から4日まで休みを取って親戚の所有するLake cabinで湖水浴やボート遊び。持つべきものは優雅な親戚である。日本ーベルギー戦は昼飯をビールで流し込みつつ観戦。シバサーキ。残念だ。

よってまだ新人フェローの誰にも会っていない。新年度ぽい感じが全くせず。

 

(1)

IA大学の肝移植プログラムは年間30例程度の肝移植を行う小中規模のプログラムである。肝移植の成績、つまり生存率やGraft Survival(生着率)が悪いと指導のようなものを受けるらしい。ここ数年ややリスクのある症例も手がけるようになったせいか、あと何例かの早期ロスでその指導の対象になる可能性があるので気を引き締めていきましょう、という話があった。ここらへんが小中規模のプログラムの苦しいところである。

(2)

半年前に保険が購入できなくなり、かといってMedicaidに加入できるほど貧乏でもないので結果的に無保険になる、という絵に描いたようなアメリカ的な落とし穴に嵌まってしまい免疫抑制剤を内服できなくなったという症例。拒絶になってビリルビンが30を超えたところでしんどくなって外来に登場。何とかかんとかサイモグロブリンとか使いながら治療中。何とかなると祈りつつ。

(3)

レジデントとフェローに書かせていた論文の第一稿が各々ほぼ同時に出来上がったと連絡が。自分の業務が暇だった何ヶ月か辛抱して待った挙句、忙しくなってきたところでダブルで指導しなければならず、文句の一つも言いたくなるが、どちらもがんばって仕上げてくれたのでここは自分がグッとこらえて残業。残業をするのに少し罪悪感を覚えるようになった私は、最早りっぱな米国人かもしれない。

 

 

 

 

春になった、やっと:うまくいくことといかないことと

Related image

肝移植の話:個人的には久しぶりのPNF(Primary non function)の症例。外科医曰く、60何歳でSteatosis30%ぐらいのドナーだったと。再登録してその日の夜に再移植。これは助かる。その後はすこぶる順調で、週末に退院の予定。

肝癌焼灼術の話:症例は少しずつながら症例を蓄積している。コンスタントに月1-2例ぐらい。今のところほぼ合併症無く、CR率は90%を超え残りの数%もPRなので、まずまずの経過であろう。先日はついに商売敵の腫瘍内科医の先生(TACEしかしない)から、焼いて頂戴と治療の依頼が。すこしは認知が高まっているようでうれしい。前にも書いたが、日本に帰れば凡百の焼き手なのにこちらでは重宝される(”無沈静の内視鏡”と同じ)...不思議な気分である。

日本の若い先生を無免許臨床フェローとして招聘するプロジェクトは難航している。病院の弁護士が、ECFMGを持っていないのならば患者にかかわる仕事はできない、と仰るのだが、じゃあUSMLE未受験で臨床(しかもスタッフ)やってる俺はどうなんだと思ってしまう。同じような形の海外フェローを雇っている他科の動きを7月まで見て(その科に7月から新しい無給フェローが来るようであれば)、再度働きかけをしていこう。まだあきらめたわけではない。

ようやく春の兆し、週末は今の家に移って初めてといってよい庭の整備。馬鹿でかいホームセンターに出かけていって、ミニトマトとローズマリーの苗、およびオクラとシソの種を購入した。キラキラ家庭菜園作りを目論んでいるものの、さて初心者ゆえどこまでうまく行くものか。

雑記1/26/2018

PSV Philips Lumify

1) 冬の峠は越したか。摂氏マイナス2度とかでも暖かい気がする(気のせい)

2) 1月後半は肝移植前後の患者の入院担当。患者数は多くないがコンサルタントではなく主治医になるので忙しい。しかも3人いた移植コーディネーターが1人都合でやめたので、残り2人がいつも大変そうで気の毒である。新しい人はもうすぐ入職するとのこと。

3) アメリカの内科医(放射線科以外は?)CTなどの画像が読めないというのは良く聞くが、自分の周りを見る限りそれは正しいと思う。放射線科の先生が多く、読影がすぐに帰ってくるからいいのだが、パット見の映像からもたらされる印象はその後の診療に大きな影響を与えると思うんだけど...英語が下手なので、日本語でさえ伝えにくいこのニュアンスをフェローに伝えられないのが残念。日本で売ってるのか知らないが、PhilipsのLumify(図)を購入したいと交渉中。まったくのお金の話。半分自分で使いたいから、半分はフェローに教えたいから。おじさんの同僚にYour toyとからかわれたが否めないか?

4) 薬物がやめられないからC型肝炎(肝硬変)の抗ウイルス治療に保険が降りず、フォロー中に肝癌が。本人はシェルターに入り”ヤク抜き”をはじめたとのことで、C型肝炎の治療と肝移植評価を開始する時期をにらみながら、癌についてはAblationの適応なので手配をした(癌治療は薬物依存だろうがなんだろうが保険はおりる)。診療の流れはアメリカでやりたかったことそのままなのでいいんだけど、まあ、なんだかなあ、と。

去年の振り返りと新年の抱負、アメリカ臨床留学の機会創出

 

Image result for iowa old capitol snow 2018

<去年の振り返り>

1) 診療・教育には大分慣れた

2) IAに来てからやっと1本、原著論文を通せた(筆頭で通算10本目)

3) 肝癌ablationのサービスを立ち上げ、少規模ながら1年を通して運営できた

4) 反省:フェローを指導して出したPublicationは症例報告1本のみ

5) 自省:週末の飲酒を楽しみにしすぎて少し太った

 

<新年の抱負>

1) 肝癌診療のイニシアチブを腫瘍内科医から肝臓内科に委譲するシステムを構築

2) 初期の肝障害から移植に渡る自身の診療に、もっとダイナミズムを持たせる

3) 胆膵疾患に少しずつ手を広げる(まずはPSCや自己免疫性膵炎・胆管炎等)

4) 年1-2本は筆頭・セカンドあるいはCorrespondingで論文をコンスタントに出す

5) 酒(と付随するツマミ)を控える

6) 日本の若手医師を対象とした、肝臓病+肝移植内科の臨床研修プログラム@IAを創設する(現時点では来年1月スタートが目標。期間は1年間の予定)

 

抱負の(6)については実現するかはまだまだ未定。でもとりあえず出来る方策は尽くしてみる。しっかりと臨床に触れる機会を持てるフェローシップにせねばならない(肩書きはVisiting clinical fellow)。恐らくTOEFLのスコア(iBTで79/120点?)を求めることになる(追記:USMLE/ECFMGは一切不問)

無給のポジションなので、奨学金をゲットするか、貯金をこしらえてから来てもらうしかない。さて、この暫定プログラムは果たして若い先生にとって魅力的に見えるのか?だとして、どれだけハングリーな先生がいるんだろう?楽しみです。